たっくんのボードゲーム日記

No.190
ラリーマン
Rallyman

プレイ人数:2 - 4
プレイ時間:約20

ルール難易度 普通、特に難しい点は無い
日本語化 不要





ラリーレースゲームです。

ボード全景、さまざまなコースが描かれています。



一度のレースですべてを使うわけではなく

今回はここがスタートで



ここがゴールとか。



ボードも4枚あるので好きなように組み合わせて
コースレイアウトを作ることができる。


コースを走るラリーカー。かなり小さめのコマです。




さて、どうやってクルマを走らせるかであるが



このような5色のギアダイスと、2つの白いアクセルダイスを使う。


まあ、とりあえずクルマをスタート位置に置く。




で発進するわけだが、最初はのギアダイスを振るところから始める。



まぁ最初はローギアからスタートするというわけだ。


ここで重要な基本ルール。
ダイスの種類に関わらず1個振ったら1マス、クルマを進める。


なので2つ振ったら




2マス進める。




ギアは1段階ずつ上げ下げしなければならないので
1のダイスを振ったら次は2のダイスという感じでギアを上げていく。

またダイスには、写真のように!(びっくりマーク)の目があって
これが全部で3つ出てしまったらクルマは制御不能(後述)となって手番終了になってしまう。


これね、3つ出たらアウト。高いギアのサイコロほど出やすい。




ところでギアは上げるばかりでなくキープすることもできる。



それが、白いアクセルダイス。
この例だと、3速までは順調にギアを上げたのだが
4速には上げずに3速のまま走らせている。

理由は、この先にヘアピンカーブがあるからなのだが
とりあえず今回の手番はここで終了させるとする。


手番が終わったら最後に終わらせたときのギアに対応するカードを引く。




この場合、3速で終わらせたので3のカード。



カードには下部にタイムが書かれていて
高いギアのカードほどタイムが小さい。

最終的にゴールするまでに引いたカードの合計タイムが記録になる。

ギア3のカードなら1枚30秒。

次の手番では、直前の手番で引いたカードのギアからサイコロを振りはじめる。



3のギアで終わっていれば、次は3±1のサイコロ
つまり2,3,4のサイコロから始めることができる。

ただし1度振ったサイコロは、その手番中はもう使えない。


さてコースに戻って、カーブには数字が書かれている。



カーブでは基本的にドリフト走行するかグリップ走行するかを選択できる。

内側の数字がグリップ走行の場合に使える最大ギア数値。
つまり、この場合1速じゃないとグリップ走行は使えない。

外側の数字がドリフト走行用。
ドリフトの場合はジャストその数字のギアでないとならない。
この場合2速オンリーとなる。

1でもこの数字をオーバーしてしまうと後述の制御不能となり手番終了。

そして、3以上オーバーしてしまうとその時点でゲームオーバーで負けである。


さて、3速でここまで来ているので1速落として2速でドリフトすることにすると




とりあえず1速落として、2のサイコロを振る




そうするとクルマはドリフトしながらヘアピンに突入!




ドリフトでヘアピンを曲がりきるためにはあと2マス、2速で行かなければならない。


そこで白のアクセルダイスを2つ使ってギアをキープしたまま走行する。




きゅるきゅるタイヤが滑る音が聞こえてきそうですな




ここまで来れば次からはヘアピンを抜けるのでギアを上げられる。



もちろんこの間、びっくりの目が3つ出たらアウトね。


3速に上げなおす、といったところ。



しかし、この先にもヘアピンがあるので
さらにギアを上げるかどうかは考えどころ。


ところで高いギアのまま最短経路を突破可能なショートカットがあるカーブもあって



このコーナーなら、グリップ走行のさらに内側を4速で走行できる。


しかし、ショートカットを使った場合はカードをこのカードを1枚引く必要があり




中身はこの3種類、どれが出ても基本的に通過できるのだが、、



まず一番左の「OK GO!」の場合は、無事そのまま通過できる。

真ん中のカードが出たらタイヤが磨耗して


アクセルダイスを1つ失ってしまう



アクセルダイスは2つしかないので、3回目のタイヤ磨耗カードを引いてしまったら
コレもゲームオーバーで、レースからリタイアとなってしまう。

※磨耗したタイヤを交換修理できるカードがあり、これを使うことで
 アクセルダイスを復活できる。
 ただし、タイヤ交換をするにはギアを1に落とさなければならない。


最後に、このカードの場合。



ショートカット上の泥や砂利をコース上に撒き散らしてしまったということで


オレンジのマーカーがカーブに置かれる。



これが置かれるとグリップ走行およびドリフト走行時のギアの数値が1つ下がる。

つまりこの場合、後続車はここをグリップ走行しようとしたら2速で通る必要がある。


マーカー1つにつきマイナス1なので、こうなるともはやグリップ走行は不可能となり
ショートカットを使うか1速でドリフトするかしかなくなってしまう。




さて、件の制御不能状態。



こうなってしまったら、クルマはその場所でとりあえずストップ。
それ以上サイコロを振ることはできなくなる。


そして、スピンしたときのギアのカードを引き・・




カードを裏返す



これを引かなければならない。
ギアは0に戻り、タイムも1分も加算されてしまう。

ついでに、このカードの場合クルマは1回転して

進行方向と逆向きになってしまう。




高いギアでスピンした場合は、さらにこういうカードの可能性が高くなる。




コースの左、もしくは右にコースアウトしてしまうというもので



こんな感じかな。で、コースアウトした地形によっては車体にダメージを受ける。


ボードの隅に、こんなのが書かれていて



草地、もしくは土の上ならダメージなし。

しかし、森にコースアウトした場合はダメージ1
岩にコースアウトしたらダメージ2となっている。


で、ダメージの数だけ一度の手番で振れるギアダイスの数が減る

なので、この場合森にコースアウトしたのでダメージ1。

5つのギアダイスのうち1度の手番で使える数が4つに減る。
(※特定のダイスが使えなくなるわけではない)


受けたダメージやタイヤの磨耗は、このカードで記録します。





タイヤが磨耗したら右上の丸いところに、
車体にダメージを受けたら右下の丸いところに黒いチップを置いていきます。


最終的に引いたカードの合計タイムが記録になります。



もちろん最も少ない(速い)プレイヤーの勝ち。





Jean-Christophe, Bouvier
プレイ記



とりあえず1人でプレイしてみた。タイムアタックorテスト走行というやつだ。



右下の赤いところが今回のスタートで、黄色のところがゴール。

ぴ!ぴ!ぴ! ぽーん!!



スタート!

順調にギアを上げて加速する。






ここはカーブにそなえて3速でキープ




2速でドリフト開始




アクセルダイスで2速をキープ。きゅるきゅるきゅる!




3速で抜ける。



4速まで上げた後、すぐ2速まで落として再びドリフト!



2速のカードを引く。




その後は直線なので一気に5速までいく。



かっ飛ばす




さて、ゆるいカーブにさしかかる。
ドリフトでもいいのだが、その先にきついヘアピンが待ち構えていることを
考えると、ここはギアを落としながらグリップ走行の方がベターかな。







最初のヘアピンは2速でドリフトで入る。



次はインを突いてグリップで1速で抜ける。




1速のままカードを引きたくは無いのでしっかり4速まで上げてから手番を終える。




そして4速のままショートカットに突っ込む!




カードは・・・よっしゃOKだ!




調子に乗って、次も当然のごとくショートカットへ




が、今回はタイヤが削られた




アクセルダイスを1個失う。これはちょっと痛いかなぁ。




次のカーブ。3たびショートカットでもいいのだが
その先のカーブのドリフトが3であることを考えると、ここは無理せずグリップでいく。




長い直線、当然5速まで上げるのだが途中にジャンプ台がある。



適正ギア4のジャンプ台に5速で突っ込む。
このときサイコロでびっくりマークが出たら即制御不能なのだが、ここはギャンブル。


成功!




5速を維持したまま、2マス一気にジャンプ!



あ・・・・!

やばいじゃん!次のヘアピン2速まで落とさなきゃじゃんか!!


スピン確定。コースアウトした。。




水に落ちてダメージ1




最後のコーナー、ラストだショートカットでいくぞ!



よし、OK



そのまま加速してゴール


さあ、気になるタイムは・・6分ジャストでした。




評価・・・

※評価の基準についてはこちら

ボードゲームでここまでやるのかっていうほどのテーマ再現度と臨場感。
はっきり言って尋常ではない。

これを考えた人はホントにすごいと思う。

じゃぁ、なんで評価が今ひとつなのかというとそれはズバリ、ゲームとしての深み。
要するにすごく面白くてワクワクするのはルール読んでる段階までで
実際やってみると、不確定要素に起因する悩ましさに乏しいのが残念だ。

適正ギアは自分でほぼ完全にコントロールできるため、スピンしないギリギリの速度を
いとも簡単に操作できてしまう。これはかなりうまくないと思う。
どうもサイコロのびっくりマークの数が少ないように思う。

これ、どのくらいテストプレイしたのかなぁ?

どうもテーマ再現度にこだわるあまり、ゲームとしてのジレンマや悩ましさ
バランスに欠いている気がしてならない。あまり爽快感のようなものも感じない。

結局のところ、システムを突き詰めるとバースト系ダイスゲームの亜種なのである。
亜種と書いたのは、カード引き運によるところもあるので。

同じようなシステムのサイコロバーストゲームなら、キャントストップヘックメックなど
良作が他にいくらでもあるし。。

はっきり言って、この見事なテーマ再現度が無ければD評価付けてたかもしれない。
このシステムではソロプレイ感も満載だし、ん~~~・・・
レースゲームなのに順位の視認性が悪いのも、うーん。。。

ボードゲームでここまでラリーの臨場感を再現したというのは確かにすごい。
でもなぁ、ボードゲームなんだからもっと別のところで頑張った方がいいと思うんだよね。

どう頑張ったところで、臨場感やリアリティという点において
ボードゲームはデジタルゲームには勝てない。
こういうテーマが好きな人はそこそこ楽しめるかもしれないけれど
そうでない人にはマリオカートかリッジレーサーやった方が全然楽しめると思う。

なんつーか、お米を材料にしてハンバーグを再現してみたけれど
やっぱり肉を使ったハンバーグには絶対及ばない、みたいな・・

3次元のリアルな世界という点では、唯一勝っていると言えなくも無いけれどねー。
力の入れよう、デザイナーの力量は感じるんだけどどうも空回りしてる感じ。

なーんかもったいないなぁ、すごく。

複数人プレイしたら再評価するけど、このシステムではカラミらしいカラミが希薄なので
たぶん変わらないと思う。


JohnnyBet



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