ブロット

Belote

BGAでプレイ
トリックテイキングゲームで専門的に使われる単語をいくつか使用しています。分からない単語等が出てきた場合、こちらのページを参照してください。

ゲーム画面

概要と目的

ブロットはフランスの伝統的なトランプを使ったゲームです。2人で1つのチームを組み、2vs2のチームでトリックテイキングを行い、点数を相手より多く取ることを目的とします。使用するカードは一般的に使用されているトランプカードのうち32枚(各スートの7, 8, 9, 10, J, Q, K, Aだけを使用する。いわゆるピケ・デック)です。

画面説明


1:手札
2:場、ここに各プレイヤーがプレイしたカードが表示されます。
3:このハンド(ラウンド)の切り札スート
4:このハンド(ラウンド)のディクレアラー
5:このハンド(ラウンド)のディーラー

1:このプレイヤーのチームの現在の得点
2:このハンド(ラウンド)で取ったトリック数

ルール

ブロットには様々なルールやヴァリアントルールがありますが、ここではBGAで遊べるルールについてのみ説明します。

ゲームの流れ

ゲーム開始時に対面のプレイヤーとチームを組みます。(なお、チームを組むプレイヤーをテーブルの設定で決定することもできます。)このチームはゲーム終了時まで固定です。同じチームとなったプレイヤーのことを「パートナー」と呼びます。
各ハンド(このゲームでは「ラウンド」のことをハンドと呼びます。手札の意味ではないので混同しないよう注意してください)は2つのフェイズで構成されます。1つ目が、このハンドで使用する切り札を決めるフェイズ(ビッディング)です。2つ目が、トリックテイキングを行うフェイズです。
これら2つのフェイズが終わると、このハンドで各チームが獲得した点数を計算し、最終的な得点を獲得します。その後、新たなハンドが始まります。
これをどちらかのチームの得点が規定の点数に達するまで繰り返し行います。規定の点数に達した場合は、その時点でゲーム終了となり、そのチームのプレイヤー全員が勝者となります。

ビッディング

ハンドの最初に、このハンドで使用する切り札を決めます。
各プレイヤーに5枚ずつカードが配られます。残りの12枚のカードのうち、1枚が公開されます(このカードをターンアップカードと呼びます。)。

ディーラーから順番(テーブルの設定により、ターン順を時計回りか反時計回りかを設定できます)に次の2つの選択肢のうち、どちらかを選択します。
1.パス:次のプレイヤーにターンが回ります。
2.カードを取る:ターンアップカードのスート(マークのこと)がこのハンドの切り札となります。

全員が連続してパスをした場合、再びディーラーから順番に次の2つの選択肢のうち、どちらかを選択します。
1.パス:次のプレイヤーにターンが回ります。
2.切り札を決める:このハンドの切り札を4つのスート(スペード、ハート、クラブ、ダイヤ)から1つ選びます。なお、2巡目ではターンアップカードと同じスートを切り札として選択することはできません。

これも全員がパスした場合は、このハンドは無かったことになります。配られていたカードは回収された後、シャッフルされ、再び5枚のカードを配るところからやり直します。ディーラーは次のプレイヤーに移ります。

いずれの場合でも、誰かが2番目の選択肢を選んだ場合、その時点でビッディングは終了します。2番目の選択肢を選んだプレイヤーはディクレアラーとなり、公開されているカードを手札に加えます。ディクレアラーのいるチームが「コントラクトチーム」、もう一方のチームが「ディフェンスチーム」となります。
その後、残りのカードを配ります。ディクレアラーには2枚(既に1枚のカードを手札に加えているため)、それ以外のプレイヤーには3枚ずつのカードを配ります。
そして、次のトリックテイキングへと移ります。

例1
ターンアップカードはスペードのKでした。
プレイヤーA、CがAチーム、プレイヤーB,DがBチームです。プレイヤーA→B→C→Dの順にビッディングを行います。
プレイヤーAはパスしました。
プレイヤーBもパスしました。
プレイヤーCはターンアップカード(スペードのK)を取りました。
この時点でビッディングは終了します。プレイヤーCがディクレアラー、プレイヤーCの所属するAチームがコントラクトチーム、Bチームがディフェンスチームとなります。また、このハンドの切り札スートはスペードに決まりました。その後、トリックテイキングへと移ります。

例2
ターンアップカードはスペードのKでした。
プレイヤーA、CがAチーム、プレイヤーB,DがBチームです。プレイヤーA→B→C→Dの順にビッディングを行います。
プレイヤーAはパスしました。
プレイヤーBもパスしました。
プレイヤーCもパスしました。
プレイヤーDもパスしました。
1巡目を全員がパスしたので、2巡目のビッディングを行います。
2巡目ではターンアップカードを取るプレイヤーは、このハンドでの切り札スートを選択できます。ただし、ターンアップカードと同じスート(この例ではスペード)は選択できません。
プレイヤーAはパスしました。
プレイヤーBもパスしました。
プレイヤーCもパスしました。
プレイヤーDはターンアップカードを取り、このハンドでの切り札をハートと決めました。
この時点でビッディングは終了します。プレイヤーDがディクレアラー、プレイヤーDの所属するBチームがコントラクトチーム、Aチームがディフェンスチームとなります。また、このハンドの切り札スートはハートに決まりました。その後、トリックテイキングへと移ります。

・オプションルール「全部切り札/切り札なし」をオンにしていた場合
テーブルの設定で「全部切り札/切り札なし」ルールをオンにしていた場合、2巡目でも全プレイヤーがパスしてもハンドは流れず、再度ディーラーから順番に次の2つの選択肢のうち、どちらかを選択します。
1.パス:次のプレイヤーにターンが回ります。
2.切り札を決める:このハンドの切り札を「全部切り札」か「切り札なし」のどちらかから選びます。3巡目では通常のスート(スペードやハートなど)を切り札とすることはできません。
「全部切り札」を選択すると全てのスートが切り札となります。「切り札なし」を選択すると切り札となるスートが無くなります。

これも全員がパスした場合は、このハンドは無かったことになります。配られていたカードは回収された後、シャッフルされ、再び5枚のカードを配るところからやり直します。ディーラーは次のプレイヤーへ移ります。
誰かが2番目の選択肢を選んだ場合はその時点でビッディングは終了します。2番目の選択肢を選んだプレイヤーはディクレアラーとなり、ターンアップカードを手札に加えます。この後の処理は先述と同様です。

トリックテイキング

トリックテイキングを行います。
最初にディーラーの次のプレイヤーが手札から1枚のカードを出します。トリックの最初にカードを出す場合には任意のカードを出すことができます。
その後はテーブル作成時に設定されたターン順の通りに各プレイヤーが順番に手札から1枚のカードを出していきます。その際には次のルールに従ってカードを出さなければいけません。(なお、カードの強さについて言及している箇所がありますが、カードの強さに関しては後述の表を参照してください)

カードを出す時のルール
マストフォロー、マストウィン、マストラフです。よくわからないという方は下を読んでください。

・1枚目に出されたカードと同じスートのカードが手札にある場合
そのスートのカードを出さなければいけません。同じスートのカードが複数枚あるなら、その中から任意のカードを1枚選んで出します。
ただし、1枚目に出されたカードが切り札スートだった場合のみ、場に出ている最強のカードよりも強いカードが手札にあるなら、そのカードを出さなければいけません。場に出ている最強のカードよりも弱いカードしかない場合は、そのカードの中から任意のカードを出します。
・1枚目に出されたカードと同じスートのカードが手札にない場合
1.パートナーが一番強いカードを出している場合
任意のカードを出すことができます。
ただし、パートナーが切り札のスートのカードを出していて、かつ、自分が切り札のカードを出したい場合、自分の手札にそのカードより強い切り札のカードがあれば、そのカードを出さなければいけません。そのカードよりも弱い切り札しかない場合にはこの制限はありません。
2.相手チームプレイヤーが一番強いカードを出している場合
手札に切り札のカードがあれば、切り札のカードを出さなければいけません。たとえ場に出ている最強カードよりも弱い切り札しかない場合でも、切り札のカードを出さなければいけません。場に出ている最強カードよりも強い切り札があるなら、強い切り札カードを出さなければいけません。
手札に切り札がないなら、任意のカードを出します。

これらのルールに従ってカードを1枚ずつ出していきます。全プレイヤーがカードを1枚ずつ出し終わったら、出されたカードの中で一番強いカードを出していたプレイヤーが勝利します。これをトリックを取ると言います。トリックを取ったプレイヤーは場に出された4枚のカードを全て取ります。このカードは手札とは別になり、取ったカードによって点数を獲得します。カードの強さと、カードを取った時に獲得する点数は下の表を参照してください。
次のトリックは、トリックを取ったプレイヤーが最初にカードを出し、その後はテーブル作成時に設定されたターン順にプレイヤーがカードを出していきます。
これを手札のカードが全てなくなるまで続けます。手札のカードが無くなったら得点計算へ移ります。

カードの強さと得点
カードの強さは基本的にスートで決まります。
切り札スート>トリックの1枚目に出されたカードのスート>それ以外のスート
左側に位置するスートほど強いスートとなります。同じスート同士のカードの場合は、カードのランクで強さを決めます。
ランクとはA、K、Q、J、10などのいわゆる数字のことです。下表の左側にあるランクほど強いカードとなります。
なお、点数とはそのカードを取った場合に獲得する点数です。

トランプスートではない場合
ランク A 10 K Q J 9 8 7
点数 11 10 4 3 2 0 0 0

トランプスートの場合
ランク J 9 A 10 K Q 8 7
点数 20 14 11 10 4 3 0 0

全カードの合計得点は152点です。

全部切り札が選択された場合(ランクの並びはトランプスートでない場合と同じ)
ランク A 10 K Q J 9 8 7
点数 19 10 4 3 2 0 0 0

全カードの合計得点は152点です。

切り札なしが選択された場合(ランクの並びはトランプスートでない場合と同じ)
ランク A 10 K Q J 9 8 7
点数 13 9 6 5 3 2 0 0

全カードの合計得点は152点です。

プレイの例
+ ...
テーブルにはプレイヤーAから順番に反時計回りにプレイヤーA→プレイヤーB→プレイヤーC→プレイヤーDと着席しています。
チーム分けは以下の通りです。
チームA:プレイヤーA、プレイヤーC
チームB:プレイヤーB、プレイヤーD
ターン順は反時計回りで、このハンドのディーラーはプレイヤーDです。
このハンドではプレイヤーBがカードを取り、切り札スートはスペードになりました。
ディーラーのプレイヤーDの次のプレイヤーではるプレイヤーAから順番にカードを出していきます。
プレイヤーAはハートのA(エース)を出しました。
プレイヤーBは手札にハートの10がありました。最初に出されたカードがハートのため、ハートのカードを出さなければいけません。そこで、ハートの10を出しました。
プレイヤーC、プレイヤーDも同様に手札にハートのカードがあったため、ハートのカードを出しました。
ハートは切り札ではないため、このトリックで一番強いカードはハートのAです。そのため、ハートのAを出したプレイヤーAがこのトリックを取りました。このトリックで出された4枚のカードをプレイヤーAが取ります。次のトリックはプレイヤーAが最初にカードを出します。
次のトリックです。
プレイヤーAはハートのKを出しました。
プレイヤーBはハートのカードを持っていませんでしたが、手札には切り札であるスペードのカードがいくつかありました。この場合は切り札であるスペードのカードを出さなければいけません。そこで、スペードのKを出しました。
プレイヤーCはハートのカードを持っていませんでしたが、手札には切り札であるスペードのカードがあり、スペードのA、スペードの10、スペードの7を持っていました。現在、相手チームのプレイヤーBが一番強いカード(スペードのK)を出しているため、プレイヤーCはスペードのAを出さなければいけません(スペードの7はスペードのKより弱いため)。
プレイヤーDはハートのカードを持っていたため、ハートのカードを出さなければいけません。
このトリックで一番強いカードを出しているのはプレイヤーCです。そのため、プレイヤーCがこのトリックを取りました。このトリックで出された4枚のカードをプレイヤーCが取ります。次のトリックはプレイヤーCが最初にカードを出します。
次のトリックです。
プレイヤーCはスペードの10を出しました。
プレイヤーDはスペードのカードを持っていませんでした。切り札スートより強いカードはないため、プレイヤーDは任意のカードを出します。そこで、いらないカードのクラブの7を出しました。
プレイヤーAはスペードのカードを持っており、スペードの9、スペードの8を持っていました。パートナーであるプレイヤーCが一番強いカードを出していますが、最初に出されたカードが切り札スートであるスペードで、かつ、プレイヤーAはスペードの10より強いスペードの9を持っています。そのため、プレイヤーAはスペードの9を出さなければいけません。
プレイヤーBはスペードのJを持っていたので、これを出しました。
このトリックで一番強いカードを出しているのはプレイヤーBです。そのため、プレイヤーBがこのトリックを取りました。このトリックで出された4枚のカードをプレイヤーBが取ります。次のトリックはプレイヤーBが最初にカードを出します。

ボーナス

次のようなボーナスがあり、これらのボーナスを達成して獲得した点数はハンド終了時のチームと点数に加算されます。
  • Dix de Der(ディス・ド・デール)
最後のトリックを取ると、そのプレイヤーのチームに10点が与えられる。
  • カポ
全てのトリックを取ると、そのチームに90点が与えられる。
  • ブロット/ルブロット
1ハンド中に次のようにカードを出すことで、対象のプレイヤーのチームに20点が与えられる。
1人のプレイヤーが切り札スートのKとQを持っており、どちらか1枚を出す際に「Belote」と宣言する。その後、もう一方のカードを出す際に「Rebelote」と宣言してから出す。なお、2枚目のカードを出す時には連続したトリックで出す必要はありません。例えば最初のトリックで切り札のKを出し、最後のトリックで切り札のQを出してもブロット/ルブロットは成立します。
これはカードを出した時点で成立します。そのため、切り札のKやQを相手チームに取られたとしても成立するかどうかには関係ありません。
これは切り札のKやQを出した時に成立するため、全部切り札が選択されている場合には最大で4回発生する可能性があります。切り札なしが選択されている場合は、ブロット/ルブロットは成立しません。

得点計算

全プレイヤーがカードを出したら(最後のトリックが終わったら)、得点の計算をします。
1.それぞれのプレイヤーが取ったカードの点数
2.ボーナスの点数。最低でもDix de Derのボーナス点(10点)があります。
1と2の点数をチーム別に合計し、これを比較します。
・コントラクトチーム(ディクレアラーのいるチーム)の獲得点数がディフェンスチームよりも高かった場合
各チームはこのハンドでそれぞれのチームが獲得した点数を得点として獲得する。


コントラクトチームが取ったカードの合計点数は73、Dix de Der(ディス・ド・デール)により10点、合計で83点を獲得しました。
ディフェンスチームが取ったカードの合計点数は79でした。
コントラクトチームの方が獲得点数が高いため、コントラクトチームは83点、ディフェンスチームは79点を得点として獲得しました。


・コントラクトチームの獲得点数がディフェンスチームよりも低かった場合
コントラクトチームは得点を獲得できません。ディフェンスチームは162点の得点を獲得します。

コントラクトチームの獲得点数は68点、ディフェンスチームの獲得点数は94点だった。
コントラクトチームの獲得点数がディフェンスチームの獲得点数より低いため、コントラクトチームは得点を獲得できない。
ディフェンスチームは162点の得点を獲得する。

  • 両チームの獲得点数が同点だった場合(Contention)
ディフェンスチームは獲得した点数を得点として獲得する。コントラクトチームは得点を獲得できません。コントラクトチームの取った点数分の得点は次のハンドでの勝利チームが追加で受け取ります(もちろん、次のハンドで獲得した得点も受け取れます。前のハンドで持ち越された得点は追加で受け取ります)。
なお、次のハンドでも連続して同点となった場合は1つ前のハンドから持ち越された得点は消失します。



両チームの獲得点数は共に91点でした。
コントラクトチームはこのハンドで得点を獲得できません。ディフェンスチームのみが91点を得点として獲得しまし。
コントラクトチームが獲得するはずだった91点の得点は、次のハンドの勝利チームが追加で受け取ります。

  • ブロット/ルブロット達成による20点
たとえ得点を獲得できなくとも(コントラクトチームがブロット/ルブロットを達成したにも関わらず、ディフェンスチームの方が獲得点数が多かった、または相手チームがカポを達成した場合)、ブロット/ルブロットを達成していれば20点の得点を獲得できます。
ただし、ブロット/ルブロットを達成したとしても、これによって相手のカポ達成を阻止することはできません。(カポは全トリックを取ることで成立するため、ブロット/ルブロットを達成していてもトリックを全て取られていたらカポは成立します。)


※ブロット/ルブロットが発生しなかった場合はDix de Der(ディス・ド・デール)の10点を含めて点数の合計は162点。つまり、81点より多くの点数を獲得することを目標にすればよい


ハンドの終了とゲーム終了

得点計算が終了したらディーラーが次のプレイヤーへ移り、新たなハンドが開始されます。これをゲーム終了条件が満たされるまで繰り返します。
ゲーム終了条件は「どちらかのチームの得点が規定の点数に達する」です。規定の点数はテーブルの作成時に設定できます。
どちらかのチームの得点が規定の点数以上に達した場合、ゲームは終了し、そのチームのプレイヤー全員が勝者となります。

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最終更新:2017年03月18日 15:17