ドイツで有名なカードゲーム「6ニムト」(ゼクスニムト,日本語だと6取れが直訳)の戦術論.

運要素がそこそこ強いゲームではあるけど,それなりに戦術はある.
自分もまだよくわかっていないけど,多少なりとも感じていることを書いてみる.

本文は[続きを読む]から.
【0:目次】
1:常識事項
2:戦略を語る上での設定
3:戦術
4:負け筋


【1:常識事項】
カードは全部で104枚で1から104までのカードが1枚ずつ.
失点数は

5の倍数 ・・・−2 (厳密に言えば5の倍数かつ10の倍数でも55でもない数)
10の倍数・・・−3
11の倍数・・・−5 (厳密に言えば11の倍数かつ55でない数)
55     ・・・−7
それ以外 ・・・−1

となっている.


【2:設定】
ルールとしては4人で標準的にやる場合を想定します.個人的に4人と5人の間に大きな壁があると思っているので4人でまず述べて,他の人数の場合については注意することにします.4人はボードゲームの標準的な人数でもありますしね.

「標準的」というのは各10枚の手札を使い,残りのカードは使わない最も運の強いルール.(1〜44しか使わなかったり,公開した札から各人が1人ずつ取って手札を作る戦術性の高いルールもあるが今は考えない)


【3:戦術】
大雑把に分けて数字は大中小の3種類だとします.目安は本当に適当なので状況で適宜判断してください.

大・・・目安は80以上.特に90以上は完全に不良債権,早めに処理することが大事.最も失点に関わる.
中・・・目安は30〜80.うまく捌くのが大切なカード.
小・・・目安は30以下.中盤〜終盤を低失点でうまく抜けるために使うんだけど,こればっかりだと困る.


・初手
初手は手札で最も大きい数字を出すのが基本.

特に4人プレイだと初手で6枚に達することはないので心置きなく一番大きい数字を出せます.

理由は大きいカードを終盤まで持っていると処理できなくなることがあるからです.

極端ですが手札に104を残したまま

66 77 88 99 103

という列が形成されてしまった場合,ほぼ確実に自分がこの5枚を引き取ることになります.
(例外は誰かが小さい数を出して,この列を引き取ることだけれども,この列を選ぶのは失点が大きいので普通にプレイされていれば有り得ない.)

5人以上だと状況が変わって全員が手札の最大数を出すと,同じ列に全部並んだ場合6枚の回収に届きうるので中途半端に高い数で様子見することもあります.大概,最大数出さない人が1人くらいいるけど,まあそれはそれ.
逆に8人とか多すぎる人数の場合は丁度6枚目にならないと引き取らないので最大数で出しても構わないでしょう.結局は周りの戦略次第なのですが.


・2手目以降
2手目以降は臨機応変に対応していくことになります.やるべき行動は大別して

・大数字処理
・中数字ノーリスク(orローリスク)出し
・小数字ローリスク流し

の3種類あります.1つずつ解説していきます.


・大数字処理
大きい数字はもっていても困ることが多いので,出せる機会があるなら出します.具体的には

14 16 19
25 26
70 72 88
89 95 99 103

みたいな状況のときの104とか92とか.

下で詳しく述べますが,並べたい列のポイントが大きいこともポイント.更に4人でプレイしているときの92は理論的に引き取りが発声しない完全安牌.104は自爆されない限り通る”ほぼ”安牌.


・中数字ノーリスク出し
場が

21 27 30
33 35 40
41 45 50
51 55 60

という状況だとしましょう.

手札に42があれば(場に41が見えていることを考えると)基本的には40の右に並ぶのでノーリスクで通ります.

通らない状況というのは残りの3人の出したカードが20,31,32とかで20の引取りで[33 35 40]の行を選んだ場合です.
すると本来40の右に並ぶはずだった42は31,32を置いた第一行に並ぶので引取りが発生してしまいます.

しかし,このような状況は滅多に起こりません.

というのも,この状況で小カード引取りを行うことがそれほど起こる事態でない(最低でも4失点でそこまで低失点列がない)上,仮に引取りが起こったとしても4失点列がある以上,失点が10と大きい[33 35 40]をわざわざ引き取りにいくことは普通はないでしょう.

なので,ほぼノーリスクでこのターンは凌げます.上に書いた理由の応用として逆に

低失点行に並べようとしているときは注意が必要

だということがわかります.例えば場の状態が(かなり恣意的な数値ですが)

15 20 35 40 45
46
50 55 64
77 88 99

という状態だとしましょう.この場合の47はかなり危険です.

というのも第2行以外が高失点列であり,しかも100以上の数字が既に処理されていた場合,そこそこ安全に置けそうなのでせいぜい65〜68というところでしょう.(4人プレイだとカードの約4割が使われるため65〜68が2枚出されるのは普通に起こりうるので69以上は普通に危ない,というか68すらできれば出したくない)

こういう場合は自分は44以下のカードで低リスクで凌ぐ,あわよくば自分より低い数字の人がいれば引き取った列に乞食のように並べるようにします.(プレイ人数が5人以下で44を提出した場合,46を1枚だけ引き取るか,引取りがないかの2種類しかないことに注意しましょう.6人以上だった場合は自分以外が1,11,22,33,35といった感じで提出されると最悪なので残りカードなどを考慮しましょう.)


.小数字ローリスク流し
もう上で解説しました.1つ上のような(47以上の)中以上のカードを出す際のリスクが高い場面に,敢えて小さい数字で引き取ることでリスク回避することです.


基本的には上の行動を取っていくわけですが,もちろん10枚使いきらなければいけないので,残すカードを考なければいけません.それが次の負け筋の話になります.


【4:負け筋】
大別して2つです.

・大きい数字抱えすぎて回収を何度もしてしまう
・小さいカードばかりで毎ターン引き取る

大きい数字だと取るか取らないかは運否天賦になりがちだし,どう考えても取らざるを得ないような場面もある.
小さいカードばかりは毎回場に低失点列があれば良いが,そうはいかないことも多いのでこればっかりも実は困る.

なので配られたカード次第ではどうしようもないこともありますが,理想は小さい数字と中程度の数字で手札が構成されることです.比率は半々か小さめの方が多い程度で.
中数字を適当に捌きつつ場のリスクが高いときは小数字引取りで流すのが基本戦略になります.


最後に今まで述べる機会がなかった小ネタですが,

70 80 90 97 98

みたいな列があって手札に103を抱え込んでしまったとしても,103は最後まで取っておきます.理由は他に102とか抱えてる人がいたら,先に出してくれればその人がこの列を引きとってくれるし,お互い最後に出したとしても自分より小さい102が引き取るからです.
なおもし抱えてしまったのが99だった場合は,周りがこの手法を知らずに100以上をうっかり出してくれることを期待して抱え続けるか,(周りが最善尽くしたら,どうせいずれ取るのだから)局面が難しいときに仕方なく99で自爆するかの2択になります.(自分は後者を推奨)